2018年11月02日

犬・猫の引取り及び処分数の分析(香川県・平成29年度)

環境省では統計資料として、全国自治体の年間データを公表しています。
先日、平成29年度分が公表になりましたので、去年度に引きつづき分析しました。
以下、使用したデータは全て平成21~29年分として環境省が公表したものです。
香川県合計として、香川県と高松市の合計数を使用しました。
全国平均として、公表されている全国自治体合計を47で割った数値を使用しました。

リストマーク2 年推移(香川県)
犬と猫の合計での、平成21年度からの推移です。

犬・猫の引取り及び処分数の分析(香川県・平成29年度)

譲渡がますます増えています。
ですが、収容数が減らないので、殺処分全国ワースト記録を更新しました。
しかも、犬猫別に見ると、より状況がはっきりします。

犬・猫の引取り及び処分数の分析(香川県・平成29年度)

猫の収容が去年に引き続き減っているのです。
犬の収容は全く減っていません。

よく誤解されますが、狂犬病予防法で捕獲義務のある野良犬と違い、
本来、野良猫には収容義務がありません。
野良猫の持込みを、行政が引取拒否しているのかと推測しています。


リストマーク2 返還・譲渡・殺処分の比較(平成29年度)
引き取られた犬・猫がその後どこへ行ったかのグラフです。

犬・猫の引取り及び処分数の分析(香川県・平成29年度)

         合計 下

犬・猫の引取り及び処分数の分析(香川県・平成29年度)

殺処分率は全国での43.0%に対して香川県66.5%。
全国の殺処分削減への流れにまったくついていけていません。
特に犬での格差は顕著で、引取り数が全国平均の3倍あります。
「全国の殺処分の20%は香川県」とのニュース報道は衝撃的でした。

譲渡はがんばりすぎているほど進んでいます。
譲渡ボランティアさんの頑張りと負担を考えると胸が痛みます。
しかし、とにかく収容数を減らさないと駄目だとはっきりしました。


リストマーク2 引取りの比較(平成29年度)
保健所に引取られた犬・猫の数及び、所有者の有無、成犬猫/幼齢でグラフにしました。
「幼齢」とは離乳前の犬・猫を指します。

犬・猫の引取り及び処分数の分析(香川県・平成29年度)

犬・猫の引取り及び処分数の分析(香川県・平成29年度)
 
香川県では所有者不明の犬や猫の引取りがほとんどです。

これは、野良の犬猫あるいは迷子の犬猫を指します。
全体的に去年より減りました。
ただ、犬・所有者不明・幼齢の個体が減っていません。
野良犬の捕獲または持込みと推測されます。

えんぴつ

香川県を含め、四国は気候が良い。
そのことが、捨てられた、または迷子の犬や猫が生き延びる要因となっています。
さらに、可哀想というだけで無責任に餌をやる人間がいるために、野良の仔がふえる。
だから香川県の動物愛護は遅れているのだ、と言われます。

ですが、同じ四国の他県は結果を出しています。
なぜ香川県だけが遅れているのか。
香川県民がいいかげん考えなくてはいけないのではないですか。
動物愛護センターが開所しても、香川県民が変わらなければ役には立ちません。

ペットを捨てないこと、野良への無責任な餌やりをしないこと。
飼い主のいない動物を増やすだけの人は、動物好きとは呼べません。
餌をやるなら、責任をもって連れて帰って飼う。
できないなら餌はやらない。
これは根気よく広げていかなくてはいけない「常識」です。

そして同様に、責任を持てないなら、増やさないこと。
不妊手術は可哀想。産ませてやりたい。
その気持ちはわかります。
でも、産まれた仔すべてに責任を持てますか?

もし新しく犬や猫を飼いたいなら保健所から譲り受ける方法があります。
このことは、もっと知ってもらえるよう広報していかなければなりません。

犬や猫を飼うには、環境が整っていなければなりません。
ひょっとしたら、寿命は20年にもなるかもしれません。
ペットの居場所、面倒を見る人、毎年のワクチン、病気や怪我の治療費…。
ひとつでも無理だと思ったら、飼わないことも優しさです。


えんぴつ

データの取扱いについて誤りがあればご指摘ください。
正確な数値が必要な方はコメントにてお知らせください。




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